しょこら@です。
私が小学生の卒業文集に書いた将来の夢は確か「世界を飛び回る仕事をする」だったと思います。その時は、飛行機に乗りたいという子供らしい単純な動機でした。
そして数十年経った現在、幸運にもそれに近い仕事をさせてもらっています。二度の海外駐在を含めて、これまで30ヵ国くらいに行かせて頂きました。それらの経験は、私にとってかけがえのない財産になっています。
今、若い人はあまり海外に出たがらないと聞きます。日本は便利だし安全だし(これには異論ありますが)わざわざ外には出たくない、という気持ちが強いようで。
そんな中、敢えて私は言いたいっ。異国で働くこと、特に「海外駐在」には、本当にたくさんのメリットがある!ということを。
こちらでは、海外に出たらこんなに "美味しい" 話があるんですよ、というリアルな事情をお伝えしたいと思い、記事にしてみました。
会社によって待遇・事情は異なるでしょうが、駐在時代の他会社の知り合いの状況も踏まえて書いていますので、全く的外れ、ということはないと思います。
- 海外で働く=スペシャルな人、ではない
- 美味しさ1:金が貯まる
- 美味しさ2:日本の社畜生活を送らなくて良い
- 美味しさ3:会社の金で英語が勉強できる
- 美味しさ4:会社の金で観光ができる
- 美味しさ5:子供が帰国子女扱いになり進学余裕
- 美味しさ6:会社の中で強みのある存在になれる
- 美味しさ7:転職市場の大きな武器になる
- 美味しくない(辛い)ところもあります
海外で働く=スペシャルな人、ではない
まず、そもそも私は帰国子女でもなんでもありません。学生時代の海外旅行は家族でハワイに1回だけ、英語も受験の時に少しかじったくらいで、会話も我流の超ジャパニーズイングリッシュです。英検も持っていませんし、TOEICも入社当時はナニソレ?状態でした。まぁ、今だってCNNを聴いたところで正直半分くらいしか分かりませんけどw
20代半ばで某・中規模メーカーに転職して数年、馬車馬のように働きながら仕事を大なり小なり覚え、30歳前半に6年間タイ、40歳手前から4年間アメリカの現地法人に出向となりました。
そんな「最初は海外とは無縁」だった私の二度の駐在計10年間の経験に基づく、海外駐在の "美味しいポイント7選" をご紹介します。
美味しさ1:金が貯まる
いきなり下世話な話になりますが、はっきり言ってこれが一番大きいです。
先ず給与が増えます。何々手当とか何々補助とか、いろいろついて総額ベースで1.5~数倍になります(※会社規定による)
一方で出ていくお金も減ります。家賃は家賃補助、車はガソリン補助や社有車で、相殺されます。コンビニなんていう金食い虫はありません。国によっては食べ物の値段が非常に安く、また外食しようにも日本ほど美味しくないのでそのうち行かなくなります。我慢との背反にはなりますが、使う機会が一気に減るんですよね。
そのあたりは、以前にも記事で紹介しました。
美味しさ2:日本の社畜生活を送らなくて良い
これも、お金と並んで大きなポイント!
日本のサラリーマンは、朝早くから1-2時間掛けて通勤し、遅れないよう着席、夜は夜で延々と残業し、ヘトヘトになって帰宅するのが日常ではないでしょうか?
海外は得てして、というか大抵の国が緩いです。異国での生活では全てが自己責任なので、例えば「自宅の空調工事の付き添いのため午前中は家にいる」とか「病院に行くので一日休む」とか、そういったプラベートの事情が相当に優先されます。また現地スタッフの多くが 私生活>仕事 となり、休みを取る雰囲気も格段に強いです。通勤時間も短いし、会社に縛られる日々からはかなり解放されます。
美味しさ3:会社の金で英語が勉強できる
何十万円も出して英会話学校に行かずとも、毎日会社という実戦英会話教室が待っています。国によってはメイン言語が中国語になったりドイツ語になったりしますが、そういう国であっても英語だけは使うもの。お互いにネイティブではない分、立場はイーブンで余計にやり易い。その点、アメリカは少しキツイかな。
美味しさ4:会社の金で観光ができる
例えば日本からアメリカに行くには往復20万円の航空券が要りますが、現地にいたら全て国内旅行扱い。休みの度に観光に行けます。勿論そこは自腹ですけどね。
「観光は日本で十分」??
そうですね、私も日本の観光地は老後にでもゆっくり回ります。日本では有り得ないような観光地は世界中に無数にあります。グランドキャニオンのような雄大な景色は、日本じゃ絶対見られません。死海で身体が浮く感覚も体験できません。こういった場所の凄さは、ネットから見る写真では到底伝わらないんです。そういうところに行けるチャンスが得られ易いのは海外駐在の特権。
美味しさ5:子供が帰国子女扱いになり進学余裕
帰国子女になると中学も高校も大学も、特別な制度の下で進学の道を歩むことになりますが、一般的な入試システムに比べたら数段有利です。
大学チャレンジ中の私の長女も、今まで国立一校、公立二校、私立一校から合格を頂き、更に上の国立を目指して現在も頑張っています。これは別に自分の子供が優秀という訳でもなんでもなくて、周りの帰国子女たちも、ごく当たり前のように早稲田・慶応、国公立上位校に入っています。
なぜそんなに入り易いのか?答えは簡単。
「その学校が帰国子女を欲しいから」
画一的だった大学入試の現場も、センター試験の廃止、OA入試を始めとする多様な評価制度の採用が進んでいます。暗記勉強してきた生徒だけでなく、いろんな経験をしてきた学生がキャンパスで刺激しあうことを望んでいるんですね、学校側は。これは想像ではなく、その入試担当者が実際に話している "事実" です。
学校によって、帰国子女であっても、相当高い学力がないと容赦なく切るところは当然あります。大阪大学なんかはそんな傾向ですね。
ただし!お子さんにとっても、海外の学校に順応することは最初はものすごく辛いので、その点は配慮してあげてくださいね。
美味しさ6:会社の中で強みのある存在になれる
そもそも海外駐在できるということは、その会社の中で「外に出しても遜色ない」人材であると認められた結果と言えます。そして更に経験を積むことで、社内でも出色の存在となる可能性が高くなります(平たく言うと、出世し易くなります)
美味しさ7:転職市場の大きな武器になる
転職する時に海外駐在という肩書はことさら強いです。面接の時の "あなたはこれまで何をしてきましたか?" "何ができますか?"という問いに対して、現地で苦労した話を交えれば幾らでも話せます。海外という現場でリアルな経験を積んできた人は、企業から見ても魅力的に映ります。海外展開しているところであれば尚更、「とりあえず会ってみようか」と言ってくれます。
美味しくない(辛い)ところもあります
以上、美味しい点を7つ挙げましたが、もちろん辛い部分もあって、実際に暮らしている中で嫌になることが山ほど・・・。
- 日本の美味しい食べ物が食べられない
(店が少ない、不味い、高い) - 日本の娯楽が楽しめない
(最近はネットでのサービスが充実してきたので、海外にいながらでも日本語のTVや書籍は見ることは出来る) - 日本のような手厚いサービスが無い
- 異国の人との仕事が上手くいかない
- 日本の友人知人と、なかなか会えない
(逆に海外の友人知人が作れます) - 日本よりも、国民の祝日が少ない
(これは、有休を取ることで補うしかない)
これらの辛さを差し置いても、異国で働く機会というのは、自分にとってはとても美味しい選択だった、と断言できます。
現在20・30代の方にとっては、自分の道を変える時間はまだたくさんあります。
「勤務先に、海外支社・現地法人がある」・・・そこへ積極的に手を挙げる。
「今の会社はそこまで大きくない」・・・海外に出ている会社へ転職して、海外への道を狙う。
将来の日本の市場はジリ貧だと言われています。もしも本当にそう感じるのであれば、思い切って外に向かってチャレンジしてみてはいかがでしょうか?貴方の人生をもっと拡げられる、大きな一歩になるはずです。