しょこら@です。
先日、加入していた貯蓄型生命保険を解約しました。
それは5年前・・・ちょうど駐在先から帰任した直後のことでした。
「老後に向けて安心できるよう、資産形成しとかんといかんよなあー」と思い立って、加入済の学資保険と同じ保険会社営業マンに相談し、言われるがままに契約したのが経緯です。まだこの頃は、今のように本格的な株式運用をしていませんでした。
しかし、これがまさに保険会社の思う壺だったとは。
我ながら恥ずかしい内容ではありますが、私のケースを例に、こういった貯蓄型保険のメリット・デメリットをお伝えしたいと思います。
どんな保険だったのか?
契約していた保険は、55歳まで毎年一定額を払い込んだ上で、支払い満了後は、解約返戻金として一括で受け取るか、年金として分割で受け取るかを選べるタイプのものです。更に、私に万が一のことが起きた場合はその時期を問わず1,000万円が支払われます。スタンダードな貯蓄型生命保険ですね。
元金と支払い額のイメージは、以下の通り。
つまり、支払い満了後直ぐの55歳時に全額受け取ると、元金に対し+4.7%のプレミアムが付きます。60歳まで受け取りを引っ張ると+11.0%、70歳まで待つと+17.2%というように、後ろにいくほど受け取れる金額が増えていきます。
同じ金額を複利運用したら・・・
さて、これを元本は同条件、つまり55歳まで同じ金額を毎年積み立てながら、年3%の複利運用をした時の推移がどうなるかを試算したのが下のグラフです。
途中解約の為、本日時点の返戻金は元本を少し割ってしまいました。従って赤線のスタート地点は青点線よりも下の状態で始まっていますが、あっという間にまくって、この差になります。
特に、払い終わった後の差の開き方がヤバイです。
保険会社は、契約者から借りた元本を運用しながら継続的に利益を得ていくので、最低でも赤線くらいの金額、いや実際は+3%どころかもっと上のラインを描きながら殖やしていくはずです。しかしながら契約者に対する還元は黄線の部分、ごく僅かというのが実態。
そうでなくても、約700万円の元金で税引後利回り3%の高配当株を買ったら、年間21万円の配当金が得られる計算です。最初のグラフを見ても分かる通り、55→60歳で5年待っても44万円しか返戻金が増えないのですから、単純に言って3年もの間、お金を保険会社のためにタダで働かせていることになります。
保険会社に任せるか?自分で責任をとるか?
もちろん保険会社側は「我々が運用リスクを取り、被保険者に元本保証している」と主張するでしょう。
そもそも、上記の複利3%運用という前提自体、あくまで机上のシュミレーションに過ぎません。増えるどころか減るリスクも、十二分にあります。
それを押しても自分で貯めた大切なお金は、自分でしっかり面倒を見て働かせたいと思い直した次第です。これだけ金額に圧倒的な差がつく可能性を知りながら、それでも保険会社に預けたまま安穏としていて良いのか?と。
「運用は面倒くさい」「リスクを取りたくない」という方にとっては、保険に入るという選択肢もあるかもしません。けれども、この数字の差を見ても尚、彼らに預けたい気分になるでしょうか?
米国上場株式を広く網羅的に投資する代表的なインデックス型ETF「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」は、ここ5年間で11%/年の上昇を見せています。この先も同じ伸びが続く保証は全くありませんが、大方の予想としては4-5%といった水準が見込まれています。3%という数字は、決して高すぎる期待値ではないでしょう。リスクを抑える為の、積立投資の仕組みも揃っています。
後は自分のやる気次第!
まとめ
貯蓄型生命保険のメリ・デメをあげると以下のような感じになります
【貯蓄型生命保険のメリット】
- 自分で運用する手間が掛からない
- 元本割れが起きない(商品によって異なりますので必ず約款を確認を)
- 本人に万が一が起きた場合の補償が出る(同上)
【貯蓄型生命保険のデメリット】
- 得られるリターンが極めて低い
- 預けたお金の流動性が無い(途中解約すると元本割れになる為、相当先まで手を付けられない)
これを踏まえて、自己責任で自分の大切なお金を活用していきましょうね!
皆さまのご参考になればと思い、ちょっと反面教師的に取り上げてみました(´・ω・`)
当ブログでは、特定の銘柄を推奨してはおりません。
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