しょこら@(@syokora11_kabu)です。
本日も当ブログをご覧頂きありがとうございます。
今月頭、京都地方労働組合総評議会(京都総連)が『最低生計費試算調査』の結果を公表しました。コレ、具体的には子供2人の子育て世代が京都市内で "普通に" 暮らすための生活費用として算出した数字ですが、ネット上で話題になっています。
その金額たるや、
- 30代:48万6,900円
- 40代:54万9,800円
- 50代:70万7,500円
これは税込の金額ですから、仮に手取りをざっくり8掛けとすると、30代で約39万円、40代で約44万円、50代で57万円ほどでしょうか。50代では、長男が同じ京都市内の私立大に通う前提になることが、金額が跳ね上がる要因だそう。
これに対するネットの反応を見ると、
「普通の生活」だとこのくらいだと思う。贅沢もできないけど、節約だらけでもない。みんなやってることそれなりに普通レベルのことやりたければこのくらいが妥当だと思う。これより少なければ節約事項増えるだけで、これより少ないからと言って生活できないわけではない。
家族4人の普通の暮らしなら90平米はほしいと思いませんか?車くらいほしいし、自転車は人数分ほしいけど置き場がないんですよね。ランチにひとり千円くらい使うのって贅沢でもないと思うし。普通の暮らしが出来てる日本人って少数だとつくづく思う。
うーん・・・なんだか、いろいろと違和感があるんですが・・・というお話。
京都総連が言う「普通に暮らす」に驚愕
そもそもこの金額、なんか高くない?と感じた私。早速、京都総連の調査結果を詳しく見てみました。なにはともあれ、一次資料を確認することは重要ですからね!
※一次資料は、こちらのリンク先をご覧下さい。
先ず、それぞれの世代毎の必要費用の内訳は、以下表のようになっていました。
やっぱり、高い気がするんやが?
そして、レポートをじっくり読んで、ハッキリとその違和感の正体が分かりました。一言でいうと、これ
考えうる費用を「MAX」でゴリゴリに入れた金額なんですよ!
要するに、この金額は、私たちが快適に生活する上で想定されうる「モノ」「時間」「過ごし方」をぜーんぶ盛り込んで、積み上げた結果になっているのです。
読者様の中でも、営業なり原価計算なりのお仕事に就かれておられる方は良くお分かりかと思います。積み上げ式の計算が、とんでもなく高い結果になることを。
どういうことなのか、少し例を挙げてみますね?
今回の調査において、京都総連が言う "普通に暮らす" の内訳が、こちら。
【食料】
- 家食は、成長期に必要なエネルギー量と栄養素を全て盛り込んだ材料費を合算
- 旦那は、昼食としてコンビニ弁当を月14回
- 嫁さんは、ランチ外食を月2回
- 子供は、ファミレス外食を月1回
【家具・家事用品】
- 世帯毎保有率7割以上のものを必需品と判定
- 家電は6年に1回の買い換え前提
【交通・通信費】
- 小型普通乗用車を1台保有。6年で乗り換え前提
- 自転車は、大人各1台
- 通信費は総務省の調査に基づき一家で15~16,000円/月
【教育費】
- 幼稚園は私立、小中高は公立
- 大学は私立。入学金+学費を12ヵ月で月割り
(※学資保険などの貯蓄を考慮せず)
【余暇・娯楽費】
- TV、ビデオカメラ、PC/プリンター、携帯ゲーム機、水着等を保有
- 新聞は毎日とる(50代)
- 月1回の日帰り行楽+年2回の1泊以上旅行(30代)
えーっと・・・
これが、普通の生活なんですか?
めちゃ贅沢やないですかw
月半分がコンビニ弁当って、どこのバブル世代やねん・・・
アナタには、私がお弁当を作ってあげますものね♡
お暇な方は、レポートをご覧ください。
延々と積み上げられていく壮観な様が、よぉーく感じられますよ!(皮肉)
「普通の生活」は、積み上げでは成し得ない
ちなみに京都総連とは、全国労働組合総連合(全労連)に所属する地方組合です。全労連は、日本共産党系の全国中央組織であり、構成団体を見ると、かなり香ばしい組織が名を連ねています。かの「SEALDs」も賛同協力団体にあがってたり。
ちょっと穿った見方かもしれませんが、国民の不安を無駄に煽って、国に対する不満を鬱積させようとする一つのアプローチのようにも思えますがいかがなものか。
さて、それはともかく、今回の一件を見て、改めて思ったことが一つあります。それは「普通の生活」に掛かるお金とは、いったい何なのか?ということ。
普通の生活・・・別の表現にすると「何も不自由や、苦労をしない生活」と言い換えられるでしょうか?しかし、何が不自由で、何が不自由でないかなんて、人によって全く感じ方が違いますよね。
大学に行かないと不自由なのか?
新聞が無いと苦労するのか?
ランチやコンビニ弁当をとるのが、普通なのか?!
そんな、人によって全然変わる曖昧な定義の下で算出された数字に、私は何の価値も感じません。むしろ、夏に話題となった「2,000万円問題」と全く同じで、数字だけが一人歩きしかねない、ミスリーディング的な情報でしかないと思うのです。
このような数字に惑わされる必要は、全くありません。
日々やることは、一緒。
- 収入を最大化させること(副業を含め)
- 支出を最小限に抑えること
- コツコツと投資に取り組み、早い段階から将来への資産形成を進めること
この3つに取り組む過程で、不自由なことや苦労なんて、そりゃー多少はあるでしょう。ですが、それは "普通の生活" を送る上で、ごくごく、ごくごく当たり前の条件なのです。その努力をせずして「普通の生活を送ろう」果ては「お金が足りないから賃金を上げろ」だなんて、甘ちゃんもいいとこですな。
普通の生活、なんてものは積み上げ式の足し算で出すべきものではありません。
それは引き算で作るべきものでしょう!