しょこら@(@syokora11_kabu)です。
本日も、当ブログをご覧頂きありがとうございます。
子供を育てる家庭にとって、行政から支給される貴重な金銭的サポートが「児童手当」です。日本ではご存知の通り【15歳の誕生日以後、最初の3月31日まで】の子女を対象として、月額1~1.5万円が頂けます。
この制度、他の国でも実施されていて、こと欧州の手厚さが頭抜けているんですね。例えばアイルランドでは月1.7万円が19歳になるまで頂けますし、ドイツに至っては仕事に就いていない状態なら21歳未満、学校に通ってさえいればなんと27歳まで月2万円以上もの手当があるんですって。何とも羨ましい話です。
さて、そんな児童手当。
先々週、こんなニュースがありました。
財務省は2020年度当初予算案の編成で、高所得者への児童手当について、廃止を含めた見直しを厚生労働省に要請する。世帯年収が高いほど「大人の小遣い」といった子どものため以外に振り向ける人が多いとの分析を踏まえ、本当に必要な世帯への給付に絞るべきだと主張する。
財務省が、高所得世帯の児童手当を廃止したいと言っているのですが、そのソースは、厚生労働省が2013年に公表した「平成24年児童手当の使途等に係る調査」なんだそうです。いやー、君らいったいどれだけ古い数字を使ってるんだ。
曰く、
年収600万~1千万円未満の人のうち39%が児童手当を「大人の小遣いに充てる」や「使わずに残っている」と答えた。年収1千万円以上だと、この割合は49%に上昇するという。年収300万円未満だと割合は13%になり、世帯の所得が高いほど子育てに使われていない実態が浮かび上がった。
だから彼らに児童手当なんて要らない!予算削減ダー!という趣旨なのだそう。
しかし先週、こんな続報が飛び込んできたのです。
厚生労働省は15日までに、中学生以下の子どもがいる世帯に支給する児童手当に関する調査結果に誤りがあったとして内容を修正した。高所得者層の児童手当の使い道について、インターネット上の指摘から、データの取り違えが発覚した。
わろた。
しかも、その顛末がヘボすぎます。
以下が、オリジナルの資料なんですけどね・・・。
(※厚生労働省「平成24年児童手当の使途等に係る調査」結果より)
即ち、本来の児童手当の趣旨に沿った青線の「子供の将来のための貯蓄・保険料」の比率(1,000万円以上世帯で、32%)を、そうでない赤線の「大人のおこづかいや遊興費」と取り違えたという話なのです。今回の修正前に、財務省のお役人殿はこの青色の方の数字を足した結果(49%)を引用しながら、
金持ち世帯の半数には、児童手当意味無いやろが(ドヤァ
と主張したって訳。正しくは、大人のおこづかいにしてた人はたった0.9%でした。
貴様らの目は節穴か!!
国家公務員って、こんなザルな仕事でも務まるんですかねぇー・・・?(白目
挙句の果てに、まさかの居直り・・・
年収600~1,000万円世帯は元より、1,000万円以上を貰っている世帯にとっても(税金をたくさん召し上げられる分)貴重な手当であることには変わりませんよね。調査結果の数字を見ると、いずれの高収入層も1/3もの人達が、将来の子供達のために受給されたお金をしっかり残さんとしている様子が伺えます。
むしろ300万円未満世帯の1/3が、児童手当を子供に限定しない日々の生活費に使っているという事実・・・こちらの方が、よっぽど本来の趣旨に沿っているとは言えないのではないでしょうか?
そのような感想を抱く我々を嘲笑うかのように、財務省はこう宣うのです。
世帯年収が高いほど児童手当が大人のお小遣いなどに使われているとの文言を「使う必要がなく残っている等の回答が多い」とした。児童手当の廃止を含む見直しを求める方針は変更なしとした。
はぁ・・・??
ここ(黄線)の数字をピンポイントで使うの?
しかも、表の他の部分より値がだいぶ小さいんですが。
もはやプライドはおろか "理論" や "思想" のヘチマも無い【結論ありき】の滅茶苦茶な話じゃないですか。「俺らは児童手当を廃止したいんや。文句あっか。」と言う子供、いや居直り強盗と何ら変わらない。怒りを通り越して呆れるばかりです。
う ご き た く あ り ま せ ん
皆の衆・・・
刮目せよ!!
この一件を通しても、我が国の役人達が「国民から、いかに巧妙に搾取するか」という点しか考えていないことが、よぉーーーーーくお分かりになることでしょう。
先日、以下の記事で私は
- 資産運用において、国は完全に敵であること
- 敵から自分を守るために、マネーリテラシーという防具が重要であること
を主張いたしました。
この記事で予言した通り、早くも次の砲撃が飛んできたってことです、リアルに。
私は日本という国が好きですが、我が国の政治家はクソ of クソだと思っています。まともに受け取っていてはもうやりたい放題・・・それが私達の大切なお金に対する、日本の政治家達の基本的なスタンスなのです。
こんなアナーキスト達に抵抗する上で、脱税のようにルールを逸脱した行為はいけませんが、私達が出来ることは一体何か?それは「利用できる仕組みは最大限利用すること」「損得勘定を判断できる知識(リテラシー)を身につけること」以上2点であり、その重要性を改めて実感した、今回のドタバタ珍喜劇でした。
こんな舞台見せやがって。入場料返せ!!