しょこら@(@syokora11_kabu)です。
本日も当ブログをご覧頂き、ありがとうございます。
今週、自動車業界で非常に大きな再編の動きが続いて、個人的に驚いています。
先ずは10/30に公になった、ホンダ系仕入先が経営統合するという情報から。
(7251)ケーヒン
(7274)ショーワ
(7230)日信工業
の3社と、自動車の制御システムを手掛ける日立オートモーティブシステムズが経営統合することになりました。統合会社への出資比率は、親会社である(6501)日立製作所が2/3(66.6%)、ホンダが1/3(33.4%)という関係になるとのこと。
更に昨日、今度はトヨタ系でも仕入先合併の話が飛び込んできました。(7259)アイシン精機と、同じくアイシン系グループ会社ではありながらトランスミッションや電子部品等で独自路線を歩み、1兆円規模の売上を誇るアイシン・エィ・ダブリュが、2021年4月を目途に経営統合することで基本合意したのです。
今回のホンダ系4社の経営統合によって、新会社の売上高はパナソニックを抜いて4位に躍り出る見込みです。アイシン精機とアイシン・エィ・ダブリュはグループ会社として連結決算対象なので、2位の座は変わらず。
【1位】デンソー:5.3兆円
【2位】アイシングループ:4.0兆円
【3位】豊田自動織機:2.2兆円
【4位】ホンダ系4社:1.8兆円
【5位】パナソニックオートモーティブシステムズ:1.6兆円
このビッグな発表を受けて、昨日は各社いずれも株価が急騰しました。
さて、ここでちょっと話が変わりますが、我々が日頃乗っている自動車・・・10年20年前とは、作り方の様相がまったく変わってきているんだそうです。
昔は、それぞれの部品を担当する仕入先(部品メーカー)は、顧客である自動車メーカーが指示する通りに開発し、車両工場に納め、組み上げられていました。いわば、OEMでの単品商売が成り立っていたんです。
ですが昨今では、例えば「オーディオ」と「エアコン」と「メーター」と「自動運転制御」を全てワンシステムとして、一つの会社で開発する時代になっています。しかも、以前のように自動車メーカーが作る内容を指示するのではなく、仕入先が主体となって中身を決めていくのだそうです。
皆さんも、最近の新車に乗った時、オーディオとエアコンの操作が一つのディスプレイで出来たり、自動運転・駐車時の車両情報がメーターに表示されたりとか、そういった場面をよく見かけませんか?その車、それぞれの部品がLANで繋がって制御されるようになっているんです。そんなシステムを構築する上で、各部品をバラバラの会社で作っていては、非効率で仕方ない。
ゆえに今は、そもそも車の基幹部分を丸ごと作れないと、部品メーカーとしての存在価値が無くなりつつある状況なのだそう。これが冒頭のように、各構成部品を担当する会社同士がくっついて大きくなろうとしている背景の一つです。
でも、車の基幹部分の大半を部品メーカーが作れるようになったら、自動車メーカーの立場って一体どうなるんでしょうか。車のコンセプトやデザインだけを作って、後は「部品メーカー様よろしく」みたいになっていくのではないか?そうなると、最終完成車メーカーの付加価値って、どんどん下がる気がするんですが。
また、自動車メーカーと部品メーカーの力関係も変わってくるかもしれません。例えば基幹部品の一つに「タイヤ」があります。タイヤが無ければ車は作れません。そんな部品を扱う(5108)ブリジストンや(5110)住友ゴム等は、部品メーカーの中でも立場が強いそうです。電装部品の大半を扱うデンソーも然り。今回ホンダ系で新しく出来る新統合会社も、きっと存在感は相当なものになるでしょう。
部品メーカーが、自動車メーカーから顎で使われる時代はもう終わりました。これからは対等・・・いや、むしろ業界を牛耳っていく立場になるのではないか?!今後自動車関連銘柄を投資先に検討する際には、そういった目線を持っておくべきだろうと私は考えています。